筋抜きの意義と漢字表記
やっと筋抜きの意味が分かりました。腕を動かすというより、腕を変形させる練習なんだと思います。
過去の広背筋の記事を読んで頂ければ分かると思いますが、腕は肩から始まるのではなく、腰から始まると無想会では教わります。
この背中から始まる腕を、筋肉を収縮させながら拮抗筋で伸展させる事で弾性を与え変形させる練習です。
弾性のイメージを身近なもので説明すると、下敷きや定規、台所のシンクとか、即ち硬さがありつつも完全な剛体ではないものになります。
例えば、下敷きを上下から圧縮するとベコベコ言います。
この時、力の方向は常に一定なのに、撓んだ部分をほんの少し押すと、下敷きの変形(膨らみ?)は表⇄裏に瞬時に切り替わります。
指先を広背筋の最下部まで目一杯引き絞ってビンビンに張ると、下敷きがべコベコと切り替わるように、指先の操作で肘関節の伸展⇄屈曲が、べコンと入れ替わります。
この下敷きベコベコ・肘関節べコンベコンが、師範の言ってたキックバックのはずです。
筋抜きは、広背筋下部から指先を一本の弦にする作業です。
その予備運動として、無想会では指先を思っきし開いて(パーにして)指をビンビンに張る練習があるのです。
「貫」という字は、「貫通」のようなつらぬくという意味の他にも、「貫弓(かんきゅう):弓を引き絞るという意味」のような、引き絞るという意味もあります。
筋抜きは、背中から指先までを一本に繋げる(貫く:つらぬく)、そして指先を背中(広背筋下部・仙骨)に向けて引き絞る(貫く:ひく)という二つの意味で、筋抜きではなく筋貫きなのだと思います。