無想会・沖縄同好会

沖縄同好会の稽古日程、無想会の身体操作を知ることができます!!

ナイファンチの口伝と足跡

新垣会長の指導は、ただナイファンチでの修行の一部を切り取っているだけなのではないか、という淡い推測が浮かんでいます。

即ち、「頭は上下させるな・正中線を動かすな・肩や腰は回すな/振るな・地面は蹴るな」、などなどのナイファンチの要求する身体操作を突きや蹴りにブレイクダウンしているだけなのでは、と。

先日、ポーランドから体験の方が来られました、1ヶ月以上は滞在するそうです。

さて、無想会に初めて入った方はまず、大腰筋や広背筋というような普段はあまり意識されない筋肉を動かせるようにする所から始まります。

もちろん最初は動かせないのですが、この時、ナイファンチの指導に於いて大腰筋の活用が見えた瞬間が有りました。

交差立ちになって次に後ろ脚を前に持っていくシーンで、その後ろ脚の踵が先に地面から離れ、爪先立ちになってしまいます。ほぼ全ての流派ではこれを良しとしていますし、また自分も身体操作か甘く後ろ脚が爪先立ちになることが多いです。

しかし、このように爪先立ちになってしまうと、その後ろ脚のつま先(厳密には上足底ですが便宜上爪先とします)が地面を引っ掛けて前に行こうとする自分を爪先で制御してしまいます。

また、そのつま先が地面を押してしまい、安定を取るために片足に重心が乗り居着いてしまいます。

「地面を蹴るな」

という口伝を厳密に守ろうとすると、足の裏を地面と水平に離陸させる、つまり爪先と踵が床から同時に離すほかありません。

すると、この状態で脚を上げて歩くには、大腰筋で体の奥底から脚を引き上げるしかありません。

もちろん、体を傾けたり上に伸びたりすればなんとか脚を動かすことは可能ですが、それでは「頭を上下させるな」に違反してしまいます。

この地面から脚を引っこ抜くようにして後ろ脚を前に持っていき歩くと、上げた脚に重みがしっかりと乗るのが分かります。具体的には、重心が体の外に出たまま=居着かないまま歩くことができます。

この大腰筋の活用を、何の手かがりも無く形で学び取ろうとするのは難儀過ぎる、というか、10時間のセミナーでは不可能です。

それ故に最も具体的、最小単位的に「大腰筋を使って歩く」というように会員のためにブレイクダウンして説明しているのでは、と筆者は考えるようになったのです。

これが時間が沢山あった連中ならば、何となく「クシ(腰・後の意味)で歩け」「地面を蹴るな」だけで通じたのかもしれません。

 

前回のセミナーから、新垣会長は「動かずに突く」というのを徹底するよう求めるようになりました。

これもナイファンチにおいて「正中線を動かすな・肩や腰は回すな/振るな」を徹底した結果得られた身体操作を会員のために分かり易い突きで説明していたように感じます。

 

自分がナイファンチから見取れたのは未だ上記の大腰筋の活用のみです。

ある種の思考停止で、ナイファンチとその口伝を標として計器飛行のように目を瞑って突っ走ったら何らか見えてくるものがあるのでは、と感じました。

 

※これが故に「ナイファンチは鍛錬形なのだ!」と言えたらその人は凄い人であると思います。しかし、やはり戦いから生まれたはずの形に相手がいないなど考えられません。また、相手がいても上記の身体操作の学習は可能、というかその方が効率的です。したがってやはり鍛錬形説は誤りです。

 

 

【2025秋季 無想会セミナー告知!】

■東京

日程:11/2(日)・11/3(祝日)

初 日:千葉市幕張勤労市民プラザ

2日目:Bumb東京スポーツ文化館

■大阪

日程:11/8(土)・11/9(日)

場所:大阪市北区天満

■沖縄

日程:11/15(土)・11/16(日)

場所:沖縄空手会館

 

■詳細

セミナー特設HP:https://muso-kai-seminar.jimdofree.com/

 

【沖縄同好会9月稽古日程!】

■日程:原則毎週日曜日10:30-13:30

9/21(日)10:30-13:30

9/28(日)10:30-13:30

途中入室・途中退場可能

■場所:那覇市楚辺、モノレール壺川駅から徒歩10分、詳細はご連絡下さい。

■連絡先

メール:musokai.okinawa.branch@gmail.com

Instagram:@musokai.okinawa

X(twitter):@musokai_okinawa

■内容

①基礎:突き・蹴り・形・その他身体操作

②その後は時間の許す限り各人の修正

③トレーニング(任意):筋力トレーニング、HIITなど、途中退場・回数の調整は各人の判断によります。強制ではありません。

■費用

体験(初回):1000円

出稽古(2回目以降):1回3000円

入会費(年会費兼ねる):10000円

会員:月1500円

入会した場合、体験費用は不要です。

 

■Q&A

Q:初心者/未経験者だが大丈夫か?

A:全く問題ありません。厳しい追い込みや、激しい組手、怪我の恐れのある稽古は原則行いません。あっても任意です。

 

Q:他流派に所属しているが問題ないか?

A:全く問題ありません。他の格闘技、流派と併修されている方も多くいます、偵察の方もたくさん来られます。SNSなどに顔を出す事ができない場合は事前にお伝え下さい。

 

Q:体力に自信がない

A:上述の通りキツい追い込みなどはいたしません、また水分補給・休憩は各々が任意に取って頂いて問題ありません。

 

Q:空手は怖そう

A:怒鳴る・罰として殴る、等ということは行いません。

 

Q:身体を動かしたいだけで、古武術云々はあまり興味がない

A:トレーニングも行っておりますので是非参加されて下さい。また、空手を通じて動ける体・正しい姿勢なども身につき、美しい歩き方・威厳のある立ち振る舞い・魅力的な身体を手に入れることも可能です。

 

Q:礼儀とかめんどくさそう

A:沖縄の道場はだいたい緩いです。我々もよく分かりません。

 

Q:紹介状などは必要か

A:不要です、ただし、突然の日程変更等もありますので、事前に参加希望の旨ご連絡いただけると助かります。

 

Lats: The Key to Body Mechanics in Okinawan Karate

Today, we focused on training the use of the lats in both throws and strikes.

 

In Okinawan Karate, there is a body mechanic known as "Chin-kuchi", which in many styles refers to tightening the muscles under armpits and forearms. In Muso-kai, we think that the lats are the most important part of Chin-kuchi. As the old saying of Okinawan Karate goes, "Energy comes from back", it is reasonable to focus on it in practicing Okinawan Karate.

 

It is often assumed that the lats are used only for pulling arms backward, so they have nothing to do with the forward movements of the arms such as punching. But it's anatomically recognized they have functions more than just pulling buck. If their only functions were pulling back, it would be difficult to explain why they became such large, even though human beings didn't need to generate energy backward so much unlike throwing projectiles. In fact, they draw arms to the center of the body, moving them both forward and backward.

2025年8月31日の稽古 広背筋の活用

本日は突き・投げにかかわる広背筋の活用について徹底して稽古しました。

 

沖縄空手には「チンクチ」と呼ばれる身体操作があり、多くの流派でわきの下や前腕の締めのことを言います。無総会では広背筋のかかりをその一部と考えています。「力はクシ(後の意味)から」の言葉が残るように、沖縄空手において広背筋の活用を重視するのは妥当かと思います。

 

通常、広背筋は後ろに引くための筋肉であり、突きなどの腕を前方に操作させる動作には無関係であると考えられることが多いです。しかし、広背筋には解剖学的にも後ろに引く以外の動作も認められていますし、また、後ろに引くためだけの筋肉であれば、これほどまでに広い面積を有するに至った理由が説明できません。広背筋は腕を体の中心に引き付ける筋肉であり、前方にも後方にも作用しうるのです。

 

会員のMさんの広背筋の活用が本日は目覚ましかったです。素晴らしい威力でした、彼の全体重が一瞬で相手にかかります。これは、広背筋を介して彼の全身の体重が相手に載っかかるためです。

 

youtube.com

兄弟子の復帰 2025年6月29日の稽古

沖縄同好会では毎週日曜日10:30~13:30、那覇市楚辺にて稽古会を行っています。

その稽古会に私の兄弟子が約1年半ぶりに参加されました。
嬉しかったですね!

自分が無想会に入会した当時からみっちりと指導していただき、無想会の技術のみならず身体作りや資料集め、研究法など筆者は様々に影響を受けています。

さて、この人物はもともとは4大流派の段を取得後に無想会に移り、無想会の日本人メンバーで最初期の初段取得者でもあります。

現在も諸流派・諸武術に出稽古に赴くなど研究熱心です。

みっちりと稽古はできていなかったそうですが、技のキレは健在でした。

久しぶりに指導を受けて、姿勢の認識が変化し居着かないということをより顕著に認識できるようになりました。

 

さて、氏の研究の中で、相手の指を極めるような関節技は、素手素手の戦いで使うことができるのか、という疑問が出ていました。

私は、打撃は当たれば即、技が成立するのに対し、極めは掴んで極めるという2挙動必要な所、1手遅れ不利ではないか、と思います。

 

また、別の話題として、剣術の原理を素手の戦いに応用した武術(柔・ヤワラ)と、素手の戦いの技術として発展した空手とでは、当然ながら素手の戦いにおいては空手の方が適切ではないかとも思います。

これは武術の優劣というよりかは、いかなる環境で発達したかという、相対的な優劣の話題である、という結論が出ていました。

ーーーーー

【稽古会のお知らせ】沖縄空手道無想会・沖縄同好会 6月稽古会!

今月も、沖縄空手道無想会・沖縄同好会による定例の稽古会を開催いたします。空手を深く学びたい方、他流派の技術に触れたい方、初めての方も大歓迎です。お気軽にご参加ください!

■日時

毎週日曜日

10:30〜13:30

 

■場所

〒900-0023

沖縄県那覇市楚辺1丁目11−15

 

■参加費

・体験(初回):1000円

・出稽古:3000円

 

■備考

他流派の方・初心者の方も大歓迎です。技術交流を通して、楽しく稽古しましょう。

 

空手にご興味のある方、ぜひこの機会に足を運んでみてください。皆さまのご参加を心よりお待ちしております!

2025/06/22の稽古

今日は会員のお一人であるMさんが凄いことを言っておられました。

「立っているということは既に動いているということだ」と。

知ったかぶりして難解なことを言ってそれっぽく見せるのではなく、得心が言って反芻するようにボソリと呟いていました。

これは凄いことです、凄い言葉です。

 

「立っている」とは、武術的に正しく立っている、という意味であり、重心は身体の外に出ています。その位置は既に目標の中あるいは彼我の正中線を結んだ線上に置かれています。あとは目標に手を伸ばしてしまえば、重心移動(による重力落下を起こすこと)により相手にエネルギーが伝わります。

引手をとって正しく立っている時は既にもう突きは入っているのです。

突きは、その頭の中の観念と現実とを一致させる作業に過ぎません。

それをMさんは瞬時に理解した腑に落ちたのだと思います。

凄い言葉です、自分も勉強になりました。

ーーーーー

【稽古会のお知らせ】沖縄空手道無想会・沖縄同好会 6月稽古会!

 編集

 

 

今月も、沖縄空手道無想会・沖縄同好会による定例の稽古会を開催いたします。空手を深く学びたい方、他流派の技術に触れたい方、初めての方も大歓迎です。お気軽にご参加ください!

 

 

 

■日時

毎週日曜日

10:30〜13:30

 

■場所

〒900-0023

沖縄県那覇市楚辺1丁目11−15

 

 

■参加費

・体験(初回):1000円

・出稽古:3000円

 

■備考

他流派の方・初心者の方も大歓迎です。技術交流を通して、楽しく稽古しましょう。

 

空手にご興味のある方、ぜひこの機会に足を運んでみてください。皆さまのご参加を心よりお待ちしております!

空手の形は何のためにやるのか 通説・有力説の紹介

空手に形(型とも)があるのは広く知られているが、その解釈は空手家達の間でも錯綜している。もっとも、分類すれば以下の2つに分けられる。そして、無想会の採用する説(新垣説)を紹介する。

ーーーーーーー

・分解説
結論:形の動作は実戦的な技のカタログであり、動作の意味を修行者が各々考え、その動作を実戦に当てはめる
理由:形は戦いの中から生まれたものであるから、実戦の動きが保存されている。
批判所詮は修行者の考えによる技が生まれてしまい、形の伝承という本来的な機能を潰している。即ち、伝承ではなく独創になっている。
あまりに非現実的な解釈が多い
修行者が見たことのある技を形の動作に上書きしているだけであり、わざわざ形で修行する意味がない。即ち、すでに知っている技しか当てはめることしかできず、本末転倒
技は特定の状況での最も有効になりうるところ、分解説では動作をぶつ切りで解釈するために、たとえば組みの距離で打撃など、状況によっては非効率ないし不可能な技を生みやすい

 

・鍛錬形説
結論:形の動作は実際の技ではなく、あくまで武術的な身体操作を学ぶためだけの動作の集まりであり、下段払いが投げや金的打ちなど様々な意味を持つように、一つの動作に無限の解釈を与えうる。
理由:形分解はあまりに実戦からかけ離れた非現実的な技が多い。
批判形が補強運動・基礎稽古と同様のものになってしまう
サンチンやナイファンチなどごく単純な一部の形しか説明できない。
複数の形で重複する動作があり、同じ身体操作を他の形でも学ぶことになってしまい不合理
所詮は修行者の考えによる技が生まれてしまい、形の伝承という本来的な機能を潰している。即ち、伝承ではなく独創になっている。
形が戦いの中から生まれてきたのであれば、その形の動作が実戦的な技としての意味を有さないのは不合理

 

・新垣説
結論:形は技のカタログなどではなく、また敵が四方八方から現れるということもない。相手常に一人であり、形には文脈が存在し、相手との相対関係に応じた最も適切な技を習得するためのものである。
理由分解・鍛錬説では、ともに独創してしまっており、それは形の本来的な機能である伝承とは非両立の行為である
この説からは分解・鍛錬説に対する批判を全てクリアしうる
批判すべての形はすでに部分的に失伝しており、本来の文脈が読み取りうるかわからない
3歩歩く・一回転するなど、明らかに不要な動作がある
相手を一人だけとするならば、動作が長すぎる

ーーーーーーー

本部朝基は、「形の動作をそのまま取り出しているがあれはダメだ」との旨の発言を残している。即ち、本人は鍛錬形説に基づきつつ、彼の時代に流行しつつあった分解説を批判している。時系列的には通説は鍛錬形説であったのだろう。

弊会会長の新垣清もかつては鍛錬形説を採用していた。少なくとも「沖縄武道空手の極意」の3巻発刊時まではそうである。しかし、現在では分解・鍛錬形説ともに否定している。

 

形の本来的な機能は伝承であった。そうであれば、自ら技を考える分解・鍛錬形説は独創説とも呼べる。そして、独創は伝承とは対極である。
これらの問題点を全てクリアできる新垣説が最も合理的であろう。なお、新垣説とは筆者が今設定した便宜上の名前で、正式に~説と決定されたわけではない。

 

思うに、新垣説が最も直感的かつ論理的・合理的である。順序や理路で物事を考えるという人間の自然な思考法にも適っているからだ。また、他2説ではあまりに不自然過ぎる。自分が他の者に学ばせたいことがあるにも関わらず、その本人に自由に解釈せよというのは挙動がおかしいのだ。

新垣説の直感性・形の動作に対する素直さは、下記の動画をご覧いただければ納得いくであろう。

www.youtube.com

今回は概略的に各説の要点をまとめるにとどめたが、いずれは各説を詳説していきたい。

【稽古会のお知らせ】沖縄空手道無想会・沖縄同好会 6月稽古会!

 

今月も、沖縄空手道無想会・沖縄同好会による定例の稽古会を開催いたします。空手を深く学びたい方、他流派の技術に触れたい方、初めての方も大歓迎です。お気軽にご参加ください!

 

■日時

毎週日曜日

10:30〜13:30

 

■場所

〒900-0023

沖縄県那覇市楚辺1丁目11−15

 

■参加費

・体験・見学:1000円

・出稽古:3000円

 

■備考

他流派の方も大歓迎です。技術交流を通して、互いに学び合いましょう。

※6/8は代表不在です。

 

空手にご興味のある方、ぜひこの機会に足を運んでみてください。皆さまのご参加を心よりお待ちしております!