無想会・沖縄同好会

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4スタンス理論について

4スタンス理論は筋肉のつながりの(沖縄空手で「スジ」と呼ばれる概念の)誤った理解だと思っています。

というのを話したところ、ご質問頂いたので以下に返信をまとめます。

そして終始4スタンス理論に関して私は批判的ですが、あくまで個人的意見です。

 

『自分はスジは、筋膜、またはアナトミートレインのことだと思っています。

 

通常筋肉を解剖図で見れば、それぞれ分離しているように描かれますが、実際に人体から摘出した際は薄く膜でつながっており、関節の作用等で別々の筋肉を同時に使ったりそうならなかったりというのが起こるそうです。


例えば、前屈は膝を曲げれば簡単なのは、膝を伸ばすと、足裏ーふくらはぎー太もも裏がつながり、膝を曲げればそのつながりが外れるからだとされていました。

 

そしてその筋膜のラインは12本あり、それぞれ役割が決まっています。


例えば、大胸筋ー腹筋ー四頭筋等の身体正面のラインは、驚いたときに体全体を委縮させるとか、転んだ時にプランクの姿勢で身を守るとか、4足歩行動物においては、自分の体重を支える抗重力筋とか、という役割がありました。

大きなエネルギーを出すのには向いていないが、重いもの(自重など)を支えるのが得意な筋肉郡です。

 

次に、人間の運動の仕方は、個人差などなくほとんど同じだと思うからです。
例えば、歩き方・走り方・物の投げ方は、現代のスポーツから古代の壁画に描かれる姿に至るまでほとんど同様です。(同じ体のつくりなんだから当然なんですけどね。)


特に上肢をつかってエネルギーを出そうとすれば、おのずと広背筋が使われ、投球・スパイク・サーブ・手裏剣投げ・突き・ゴルフスイングまで、すべて広背筋が使われる、懸垂のような動きの派生でなされます。
例外的に、砲丸投げだけは、球が重たいので、重いものを支えるのが得意な大胸筋あたりを使って、腕立て伏せのような動きでなされますが。

 

上記のように進化の過程で、筋肉にも役割というのが生まれたのだと思います。

 

 

4スタンス理論は、AタイプBタイプに応じて使う筋肉郡が違う、というのが昔読んだ本に書いてありました。


「なんとかタイプの人は、腹筋と四頭筋のラインでけりなさい」

 

との旨が記されていたのですが、腕立て伏せでボールを投げる・スクワットでボールをける、というのがおかしいように、上述の筋膜のラインの役割と人間の普遍的な運動に矛盾しているのです。

 

また、理論と言っておきながら、なぜA/B・1/2タイプに分かれるのか、なぜタイプごとに違う方法が必要なのかが全く示されないのです。すなわち非論理的な理論だと思いました。


1件だけ福岡の大学が実験を行っていて、剣道部の生徒30名ほどに4スタンス診断後、タイプ別指導をしたところパフォーマンスがよくなった、としていたのですが、AタイプにBタイプ向けの指導をする、4スタンス理論を用いず剣道指導者が指導し比較するという工程がありませんでした。


「アドバイスしたらAB関係なくうまくなるのでは?」という当然の疑問が抜けています。

まとめると現実に即しておらず、科学的根拠もないし、「理論」と名乗れるだけの要件を満たしていないのです。

 

コリや筋肉の萎縮で稼働が制限されているところに類型を無理に見出そうとしたのではないか、と思っています。

 

プラシーボ効果に加え、他人に自分の知らない一面を認知してもらえるのは快感ですから、科学的根拠がなくとも血液型診断やMBTIが流行ったのと同じ理屈で人気が出たのだと思います。

 

あとは、小学生のころ、コーチが導入したのですが、まったく効果を感じなかったし、私はイチロー選手のファンでしたのに、「君は松井かイチローか」のあたりで、松井選手よりと診断されたので嫌いでした。』