2022/8/28の稽古会に、サンチンをやりました。
首里手系の無想会でサンチン?と思いましたが、かつては息吹・内股をしない、さらには蹴りのある首里サンチンなる形もあったそうです。
鍛錬形とされたり、不安定な場所で戦うとか、防御力をあげるとか、3人の敵と同時に戦うための形とか言われたりします。
しかし、無想会では、正面から掴んできた最初から最後まで同じ一人の相手と組み討ち、首を極めて投げて膝を入れる形としています。
その他すべての形もそう捉えています。
内容は、襟首外し→右喉輪→左膝蹴り→右膝蹴り→投げ、でした。
・襟首外し
腕は内から外にクロスさせてこの構えになります。
また、上地流のサンチンや松サンチン、熊手サンチンなどは、手を開いて手刀を作った状態でこの構えを取ります。
この構えで、襟首を掴んできた相手の両腕を内側から肘を手刀で打って相手を崩します。
この時、腕力だけで打つと崩せないので、広背筋の使用と重力落下が必要となります。
広背筋が使われると、軌道が真下への直線ではなく、内→外→内と曲線を描き、ちょうどサンチンの構え方と同じになります。
また、重力落下を相手の腕にぶつけるために、膝の抜きに合わせ、左足を外に一歩開きます。
・右喉輪
通常のサンチンでの、正拳突きや正面への貫手を、右喉輪と解釈しています。
自分は左に一歩ずれたので、相手は自分から見て右に見えます。
それ故に、右の喉輪が入りやすいです。
相手に両腕で掴まれたままでも喉輪を入れるために、やや半身になりリーチ差を作ります。
これはチャタンヤラ・クーシャンク―の手刀受けのような姿勢となります。
(この画像は、松林流クーサンクーを左右反転させております。)
この時、左手は遊ばすのではなく、相手の右腕を内側から押さえておきます。
そうすると、次の左膝蹴りがブロックされることがなくなります。
・左膝蹴り
右で喉輪を取ったら右親指で顎を抑え、左手で相手の頭頂部を掴み、首を捻ります。左は引き込み、右は押し込みます。そうすると頸椎を捻転させ投げ/崩しができます。
通常のサンチンでの中段受けをこの首の捻りと解釈しています。
この状態(右喉輪)から...
(画像はマスター・ケン、多分コメディアンです)
喉は掴んだまま、こんな風に捻り落とします。
右手は顎をやや上に押し上げていき、右手は頭頂部を掴み引き込んでいくので、フォロースルーはこのようになります。
左で引き込んだので、相手の頭は自分の膝元に来ますから、そこを蹴りでカウンターを取ります。
・右膝蹴り
やることは前項の左膝蹴りと同じです。
ただ、相手の頭部をもつ位置を、右手と左手で入れ替えます。即ち、左手を喉、右手を頭に持っていき、今度は右側に投げ、右蹴りでカウンターを取ります。
この喉輪の左右の入れ替えを、無想会では夫婦手と定義しています。
・投げ
また「夫婦手」で左手喉輪から右手を喉輪に入れ替え、相手の顎が上を向くよう正面に突き出します。左手は頭頂部を掴み真下や、やや自分の方へ引き込みます。
(画像とはちょっと違うけどね...)
こうすると相手の頸椎を捻転させながら開始点から向かって正面に相手を投げ捨てることができます。
この時の格好は、諸手突きや逆突きにも見えました。
首の回転を縦回転にすると諸手や逆突き、水平に近づけるとクーシャンク―の髷隠し・額隠し手刀受けっぽくなりました。
・感想
とてもシンプルですが、これさえ覚えておけば組まれても何とかなるのではないか?と思えるほど実践的だったように思えます。シンプルさゆえにそう思ったのかもしれません。